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「私だからできること」を大切に!星と音楽を繋ぐ仕掛け人へ ー 井阪 あゆみ

「クラシックピアニスト」と「星のソムリエ®」の2つの肩書きを持つ井阪あゆみさんに、富田林市のことやご自身の活動への想いをお伺いしました。そこには、富田林市に対する愛情だけでなく、「私だからこそ出来ること」に対する熱い想いがありました。是非最後までご覧ください。

私の活動が、「星」の興味への入り口となるように。

星空

ー今回は、富田林市市制施行70周年記念応援団に参加いただいている井阪あゆみさんに、お話をお伺いします。よろしくお願いします!

井阪:市制施行70周年、おめでとうございます!よろしくお願いします。

ー井阪さんは、富田林市歴は何年くらいでしょうか?

井阪:結婚して1年後に、大阪狭山市から富田林市に転居しました。そこから富田林一筋です。ピアニストはイメージづくりが大切なので、「自称20歳です!」と言って、お客様には失笑をいただきますが(笑)・・・富田林市歴は、自称年齢をすでに超えてしまいました。

手続き

ークラシックピアニストの前に、「星のソムリエ®」が気になりました。どのようなものなのでしょうか?

井阪:「星のソムリエ®」は、星空案内人資格認定制度運営機構が管理・運用する商標です。レストランでソムリエといえば、おいしい料理や雰囲気にあわせたワインを選んでくれますよね。「星のソムリエ®」は、季節や場所がらに合わせて美しい星空をお見せしたり、その場にいる皆さんの好みに合わせて、星空や宇宙の話をさせていただく「星空案内人」のことです。7ヶ月の養成講座を受け、資格認定試験を経て、めでたく「星のソムリエ®」の認定となります。

ー「星空案内人」って素敵ですね!今は資格を活かしたところで働かれているのですか?

井阪:本職はピアニストですが、「星のソムリエ®」の資格を活かして、金剛山の頂上近くにある大阪府民の森・ちはや園地「ちはや星と自然のミュージアム」で、登録職員として勤務しています。

井阪:「ちはや星と自然のミュージアム」には、口径40㎝の大きな望遠鏡があり、キャンプ場にお泊りのお客様対象に11月まで星空観察会を開催しています。その星空観察会での解説をはじめとして、天体情報やちはや園地内の自然情報(野鳥や野草)を発信していくことが私の仕事になります。夜中に望遠鏡を使って天体写真を撮ったりすることも、私の大事な任務です。先月は、寒風吹きすさぶ星見台で、火星の写真をたくさん撮影しました。

ー他にも、地域で何かイベントなどを行っているとも伺いました。

井阪:天文台で大きな望遠鏡を使っての星空のご案内だけが「星のソムリエ®」のすべてではなく、仲間たちと一緒に自分の所有している望遠鏡を担いで、たくさんの方に星に親しんでいただける「スターウォッチング(天体観望会)」を企画して実施しています。

ー具体的には、どのようなことを行いましたか?

井阪:地元富田林市での活動としては、富田林イトマンスイミングスクールさんの駐車場で、2年前から継続してスターウォッチングをおこなっています。この秋は、菓子工房yamaoさんとタイアップした天体観測会を藤沢台公園で開催しました。他の場所としては、関西国際空港の展望デッキ(関空展望ホールスカイビュー)で、飛行機を見ながら星を見ようという企画や、自動車販売店で観望会をしたこともあります。

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ーいろいろな場所で企画してきたんですね。なぜ星が見やすいような環境が良い場所ではなく、街中でイベントをやっているのでしょうか?

井阪:星空を見ることは「とても暗い所や山の中に行かなきゃいけない!」というイメージが一般的にはあります。これはとても敷居が高いことで、エネルギーがいることです。私は、気軽にツッカケ履いて(表現が昭和…)スウェットにパーカー羽織って、銭湯に出かけるような感じで、星を見に来ていただきたいんです。「今度はプラネタリウムでもっと星の話を聞いてみよう!」や「その次は天の川の見えるところに行ってみよう!」、「もっと大きな望遠鏡のある天文台に行ってみよう!」など思っていただけたら、それこそ私の本意です。私の活動が、星の興味への入り口となってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

音楽に対して、誰もが親しみやすいきっかけに!

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ー本業のピアニストに話を移らせていただきます。
ークラシックピアノでは、国内外のオーケストラと多数共演されたと伺いました。井阪さんは、海外にも頻繁に演奏など行かれるのですか?

井阪:ブルガリアで演奏をしたこともありますが、国内が主な舞台です。新型コロナウイルス感染症の影響により、公演のキャンセルが相次ぎました。今年は、私の主宰するアンサンブル「井阪あゆみと楽しい仲間たち」が結成10周年で、かなり気合いを入れて準備をしていました。

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ー新型コロナウイルス感染症の影響によるものは、無念としか言えませんね。

井阪:コンサートが出来ない1年はとても残念でした。しかし、ラジオ出演させていただいたご縁でつながった、富田林市の初代富田林珈琲・ホンマルラジオ南大阪局さんで、クリスマスコンサートを開催することが決まりました。やっとの思いで、自分たちで感染予防対策を施しながらコンサートを行うことになり、あっという間にチケットも売り切れたていたんです。

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井阪:ところが、ご存知のように、大阪府に外出自粛要請が出されました。「またもやコンサートは中止なのか…。」と目の前が真っ暗になりましたが、どうしても自分たちの演奏をお客さまにお聞きいただきたくて、今回は自分たちでネット配信をすることを決めました。全く初めての試みでしたが、何度もテストして無事に実現しました。

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井坂:当日は、配信が途切れないからハラハラしながらではありましたが、お客様からは「感染の不安なく、ご家族で揃って久々に音楽を楽しめた!」と喜んでいただけました。来年は、オンラインのコンサート配信を毎月やってみようと、仲間と盛り上がっています。

井阪:今回の件で、私たち演奏家が演奏することに飢えていたように、お客様方も音楽を待ち望んでくださっていたんだなと実感しました。用意できる対策をしっかりおこなったうえで、自分のパフォーマンスをいかにお客様の心にお届けできるかを意識したいです。スタイルは多少異なっても、自分の中に熱いものがあれば、それはきっと届くはずだと確信しています。

トーク

ー演奏活動では、どのようなことを目指しているのですか?

井阪:私の演奏スタイルは独特で、「トーク」を必ず入れています。一般的にクラシックの演奏会って、無言で出てきてひたすら演奏しますよね。しかし、私はトークを入れることで、音楽に対して誰もが親しみやすい「音楽の入り口」を目指しています。

ーまさに井阪さんは、「きっかけ」の人ですね!

井阪:ありがとうございます!なので、ありきたりのホールなどの形態にとらわれず、富田林市内でも身近に感じていただける場所で、積極的に演奏活動を行なっています。お客様が「次は大きな演奏会に行ってみよう!」と思うきっかけになることを、一つの目標として目指しています。

富田林市は、「古き」と「新しき」がうまくブレンドしている。

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ー富田林市歴が長い井阪さんが感じる富田林市について教えてください。

井阪:富田林市は、富田林寺内町などの「古きよきもの」を大切にするところ、龍泉地区などの「自然」を大切にするところ、自分が住んでいる金剛東地区のような「ニュータウン」が、とても良い感じにブレンドされており、魅力的で音楽にも通じるものがあります。その心地良さが「演奏家」として生きている自分の居場所に、ちょうどマッチしてる気がします。富田林産お野菜も美味しいです。昨日も海老芋を爆買いしました!

ーこれから富田林市は「このようになってほしい!」という想いはありますか?

井阪:例えば富田林寺内町などで、音楽が溢れるようなものが普通にあれば、とても嬉しいです。「音楽の街」ウィーンのように、演奏活動でよく訪れる金沢の街には、音楽がいつも普通にあふれています。

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ーウィーンはイメージがありますが、金沢市も音楽があふれているんですね。

井阪:お雛様が飾られている日本家屋にピアノが置いており、お客様は畳の上で座ってコンサートを楽しまれます。ピアノの前で小さい子どもたちが私の弾くワルツにあわせて踊ったりすることもあるんですよ。富田林市が「敷居の低い」場所で、いつも生の音楽があれば嬉しいです。その一端を担えることが出来れば、一人の市民としても嬉しいです。

ー「敷居が低い」は、一つのキーワードかもしれませんね。

井阪:敷居を低く感じていただけるお客様に対して、私たち演奏家は「高い意識」で楽曲に向き合い、音楽を作り出すことが同時に使命です。自戒の意味も込めて(笑)

「私だからできること」を大切に。

プロフィール

ー最後に、2つの肩書を持つ井阪さんにお伺いしたいのですが、井阪さんはこれからどのようなことを目指されていますか?

井阪:「大好きなもの」の魅力を、たくさんの方にお伝えするために、「ピアノ」と「星空」をコラボさせたイベントを開催しています。また、自分の撮った星空と自分の演奏をブレンドして、Youtubeもはじめました。

井阪:昨年、富田林駅前のきらめきファクトリーで「きらめき聖夜」というイベントを行いました。お昼にコンサート、夕方からは星空のお話をさせていただきました。また2階では、星の仲間たちにも協力してもらい、天体写真展を開催しました。

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井阪:「ピアニスト」という職業の人は、私以外にもたくさんいます。「星のソムリエ®」の資格を持つ人もたくさんいます。しかし、「星のソムリエ®の資格をもったクラシックピアニスト」は、きっとそういないでしょう。「私だからできること」を大切に、「私にしかできないこと」を怖がらずに積極的にやっていきたいと思っています。

「有言実行」の最上級が「有言即実行」であり、私のポリシー!

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ーでは最後に、本記事をご覧いただいている方へ一言お願いいたします。

井阪:私は、大学でピアノを専攻したものの、一旦、他の仕事に就いてから演奏活動を始めました。ピアニストとしてのデビューも周りより遅く、天体についてもまだまだ知らないことが多いので、不安は多々あります。しかし、とにかくスピード感をもってやってみることが大切です。

井阪:私は、「有言実行」の最上級が「有言即実行」だと思っていて、ポリシーでもあります。また、わからないことやできないことは、素直に色んな人にサポートをお願いすることも、大事だと思っています。背伸びして「ええかっこ」しても、ステージの上では丸裸にされてしまいます。そんな苦い経験をしているからこそ、等身大の自分を受け止めてくれる家族や、支えてくれる仲間に感謝しながら、これからも自分らしく歩いていきたいです。失敗するのが怖くて実行できないよりも、とにかく明言して実行に移した方が失敗しても悔いはありません!

ー最後に熱いメッセージ、ありがとうございました!

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Profile:井阪 あゆみ
「星のソムリエ®」の資格を持つクラシックピアニスト。
大阪府立三国丘高等学校を経て大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コースピアノ科を卒業。関西フィルハーモニー管弦楽団、ブルガリア国立ソフィアフィルハーモニー管弦楽団、アンサンブル大阪など国内外のオーケストラと多数共演。アンサンブルユニット「井阪あゆみと楽しい仲間たち」主宰。東野学友協会大阪支部長。オールショパンのDVD「Breeze」をリリース、ロングセラー中。

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